すっかり夜も更けているかどうかは個人差がある深夜0時、LINEが来ました。
「ワクチン打ったところに磁石くっつきますよね?」
付き合いも長く、私なんかより真面目なベテラン看護師さんからです。
さっぱり意味がわからず、私はそのまま眠りにつきました。
・・・まじ?
超身近におこった陰謀論、少し掘り下げて考えてみました。
はじまり、はじまり。
「磁石、くっつきますよね?」とベテラン看護師は言った
翌朝、パンをムシャムシャ食べながら改めてLINEを再読。
「・・・ん?マジ?」
ウチの冷蔵庫には、いつの間にか無造作にそして増え続けている、いろんな磁石があります。
なにげに何個か手に取り、左上腕の接種部分に近づけて見ました。
少しドキドキ。
・・・付かない。
・・・おかしいな?
・・・いや、おかしくはないか。
磁力が強そうなものから、用紙2枚挟むこともできないくらいの弱い磁力のもの、水道屋さんの広告磁石も試しましたが、全てダメ。
・・・なんだ、付かないじゃないの。
「くっつきませんね。ピタっとくっつくんですか?」
LINEを送信して仕事へ。
そして夕方に返信がありました。
「私は付きました。弱い磁石です。子供がお母さんくっついた!と大騒ぎです」
ここで初めて、私の脳みその片隅の引き出しが「・・・ガタガタ」と音を立て出しました。
何度か書いていますが、昔は、UFO、超能力、心霊などにどハマりしていました。
「1999年7の月・・・」でお馴染みの(もはやそうでもないか)「ノストラダムスの大予言」関連の書籍も、そりゃーもー必死で読みましたよ。
もともと、子供だった私は「肯定派」。
というか「疑う前に無条件に信じており、とにかく怖がっていた」というのが素直な表現です。
インターネットはもちろんないですし、子供ですから書籍を購入することもできません。
情報は全てテレビ。矢追純一や宜保愛子が「いる」「ある」と断言するのだから信じるしかない。
オドロオドロシイ音楽が流れても、それを見ながらが我が家の一家団欒の夕飯でした。
そんな父も母は「ほら!玄関に来たで!」と私を脅かすのに夢中。
今となればわかりますが、その私に対する「おちょくり」は「思考の停止」となりました。
1999年7月で地球が滅亡すると漠然とした信じ続けた年月が、1999年7月が終わる日まで、ずっと恐怖感がありましたもんね、まじで。
そのころにはハタチも超えていたのに。
それくらい植え付けられたものは簡単に払拭できませんでした。
そんな私も、作家大槻ケンヂさんの著書から「ナナメから見て面白がってみる」というスタンスを知ってからは、一気に心境に変化が現れました。
「とりあえず信じてみる。そこから考えて結論を出す。」
そんなスタンスになってから、今までは恐怖の対象として見続け・読み続けて信じ続けてきたものたちが、どこか奇妙でなぜか哀愁漂うものや、どうにも許し難いものまで、自分なりに「ナナメから見る」という視点と思考を持つことができました。
・・・そうです、すっかり忘れていました。
こういう時期に、こういう情勢のときにこそ、陰謀論が産まれることをすっかり忘れていました。
新型コロナワクチンの陰謀論を落ち着いて追いかける
私らしくない。
大好物だった陰謀論。
なぜ、そもそも興味を持っていないんだろう?
今回の件で、フとそんな気持ちになりました。
あんなに大好物だったジャンルなのに、自分の仕事の範疇でうずまいている話なのに、なぜだ!?
私の病院でも1割か2割の職員が新型コロナワクチン接種を拒否しています。
その理由は「なんとなく気持ち悪い」という漠然とした意見が大多数、と聞いています。
そりゃ気持ちはわかりますが、以前もこのサイト内で書いたように、現段階において「新型コロナワクチンの確実性」を求めるほうが、私から言わせると都合が良すぎる、と思ってしまう。
感染してCOVID-19と診断された場合、隔離生活だけならまだしも、効果があるかないかわからない薬を多種類内服しないといけないし(無論内服薬の副作用もある)、重症化しない保証がない中で闘病しないといけない。
すなわち、手探りの治療の恐怖、治療に伴う副作用の恐怖、起きるかもしれない重症症状の恐怖、感染後の多岐にわたる合併症の恐怖がある。
その恐怖と、新型コロナワクチンの恐怖・・・と考えた場合、私は迷うことはなくワクチン接種を選択した。
とまぁ、何となく怖い、という理由が周りに多いだけに、陰謀論に目が行かなかったのかもしれないし、陰謀論は外国の話を思っていたフシもないわけではない。
しかし、今回の一件で「新型コロナワクチン 陰謀論」で検索したら・・・・出てきますね。
「コロナはただの風邪だ!」というのも含めると「陰謀論」よりも「インフォデミック」という言葉のほうが適しているらしい。
だけど、私はあくまでも「陰謀論」にこだわりたい。
だってそのほうが人間臭い感じがするから・・・。
「コロナはただの風邪だ!」という人々には、もう理解してもらえないと単純に思ってしまう。
未だに「マスクなんかいらん!」と人混みで叫ぶ人は、私じゃない誰かにお任せしたい。
漫画家小林よしのりさんも「コロナ脳になるな!」「わしはワクチンは接種しない!」と叫んでいる。
「インフルエンザより感染力も死亡率も低い!」と主張されている。
「新型コロナワクチン接種後に死亡した例を見過ごせない!」というようなことも描かれている。
今のところ、その論点は私にはあまりピンとこない。
医療者として麻痺しているのかもしれないが、医療行為を行うにあたり一定の副反応や極論死亡例はゼロではないことは、この日本では常識なはずだ。
そして常にその可能性を加味してインフォームド・コンセントを行うのが我々の仕事。
そして、いままで何もトラブルなく生きてきた患者さんが死亡する例を私はいくつも見ている。
そこに共通することがあったのかどうかは知らない。
死ぬ前にラーメンを食べていたのかもしれないし、風呂に入っていたのかもしれないし、胃薬を飲んだのかもしれないし、アルコール接種したのかもしれない。
小林よしのりさんの論点で勉強はしたことがないのでわからないが(そしてその主張が事実なのかもしれないが)、あの騒がしい日常を取り戻し、経済を回すために反対せずに新型コロナワクチンを接種してもいいじゃないか?と思ってしまう。
今のところ、新型コロナワクチンの数々のデータは信じるに値すると、と思う。
そして、いかに新型コロナウイルスが弱いくせに強く厄介な存在で、死に至らしめる憎むべき存在かを目にしている。
そもそもインフルエンザにはワクチンもあるし、抗ウイルス内服薬もある。
だけど、新型コロナウイルスにはワクチンしかないじゃないかっ!!
・・・・・ん?
論点がずれてきたようで、戻ってきたな。
そう、その新型コロナワクチンが「あるじゃないか」ではなくて「ない」もしくは「危険」ということか。
そうだそうだ。
あぶねー。陰謀論だった。
で、新型コロナワクチンの陰謀論って?
「新型コロナワクチン 陰謀論」
で検索すると、
・マイクロチップを埋め込まれる(首謀者はビル・ゲイツ)
がもっとも「いい感じでバズってる陰謀論」だった。
ビル・ゲイツ自身が否定するコメントを出しているのもグッとくる。
「UFOはいます!(小保方さん元気かな)」と騒いでいるUFO肯定派に向けてNASAが「いません!」と否定すると、ますます肯定派は「おおお!!怪しいぞ!」とざわつく方程式にとても似ている。
で、マイクロチップを埋め込まれたとしてどうされちゃうんだろうか。今後はそこに注目していきたい。
ちなみに私はすでに埋め込まれている可能性があるので、できるだけMRIには近づかないようにしたい。せっかくのマイクロチップが強力な磁力でバカになったら損だから。
・Bluetoothに接続される
これもグッとくる。
ある男性が機器に近づくと「アストロゼネカのBluetoothとつなぎますか?」と画面表示が出てきて「困っちゃうんだよなー」とニコニコしている動画がSNSでバズったのがきっかけみたいだ。
良い。すごく良い。さりげないやり取りがリアルさを増す。
Bluetoothに接続されたからどうだ、という話でもないし、接続されたらこうなった、という話もなさそう。
いわゆる「ニオわせ動画」というジャンルじゃないのか。
トゥービーコンテニュー感が秀逸、まるで映画の導入部分のようだ。
麦畑に突然現れる「ミステリーサークル」が、まるで「・・・ここにUFOが来たんじゃないか?」と思わせるのような「ニオわせ」の物語を感じてしまう。
ちなみに私には今のところBluetoothに接続されそうな現象は起きていない。ファイザー社の新型コロナワクチンだからかな?
突然「ピポッ」とか「Bluetoothにつなぎました」と英語で脳内再生されたときには、このサイトにて即座に報告したい。
・新型コロナワクチンを摂取した場所に磁石が付く
これは上記2つに比べると全然バズってなかった。どうも、マイクロチップから派生しているようだった。
ちなみに「マグネットチャレンジ」と呼ぶらしい。
しかし、私的にはコレも嫌いじゃない。
私は「くっつかない」と書きましたが、実は皮膚にはくっつきましたよ。
それは汗なのか油なのかわかりませんが、皮膚ならどこにでも付きました。
腕でも、おでこでも、腹でも、どこでも。
磁石的な付き方は残念ながらしませんでしたが、少し皮膚に押し付けたら簡単に付きました。
もはや、ユリ・ゲラーのスプーン曲げを「超能力」とするのか「マジック」とするのか、それに近いニュアンスですね。
ちなみに「5G説」というのもバズっているのですが、何度読んでも意味がわからないので私の中で却下しました。
結局みんな不安なんだよ
とまぁ、真剣に語っている方には失礼な内容になったかもしれませんが、私の気持ちとともに陰謀論を語ってみました。
で、ベテラン看護師さんは
「私は付きました。弱い磁石です。子供がお母さんくっついた!と大騒ぎです」
のLINEのあとに
「あれ?自分でやったらつかない!昨日は子供がつけてくれたけど、自分でやるとつきません!なんで?」
というコメントが来ました。
最終的に私がマグネットチャレンジのことを調べ伝えると
「・・・・はずかしい!」
という返信がきました。
私の感想は「ベテラン看護師さんでもこういうことを信じてしまう瞬間があるんだな」ということです。
結局、みんな不安なんですよね。
新型コロナワクチンを接種したからと言って何も不安がなくなるわけじゃない。
摂取した人は「壮大な人体実験の1人」という自覚を持っているんですよ。
おそらく、数年後に新型コロナワクチンの成果が問われるはずです。
そして、こんな状況ならどんな時代でも陰謀論はなくならない、ということですね。
インターネットやパソコンが身近になることで、心霊写真やUMAなど一部ジャンルが盛り下がりました。
誰でも簡単にそれっぽいものを作り出すことも、見抜く目も、手に入れてしまったのです。
ただし、陰謀論はこのような世界的パニックの影で生まれることを今回改めて学びました。
世の中に「電話」や「レントゲン」というものが生まれたとき、こんな陰謀論どころじゃなかったんだろうな・・・。
文明や科学を受け入れる、ということは、覚悟が問われることなのかもしれません。
Amazonで陰謀論関連の本を探してみたら、いわゆるそっち系で有名な作家がこぞって出版されていて、胸が熱くなりました。
みなさん、相変わらずお盛んで!!
・・・作家山本弘さんがロックオンしてくれないかなぁ。
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