新人でもなくなれば、誰しもがうっすらと意識しだすのが、今後の進路。
上司に言われた異動をそのまま飲むのか、専門性を持つ資格を目指してみるのか。
いやいや、そんな認定なんて自分には無理。
すごいよ、認定目指すなんて・・・。
スペシャリストか・・・。
・・・ちょっと待って。
「ただの看護師」として普通に働いてちゃ選択肢はないの?
異動もしたくない。今がいい。
大人しく、目立たなく働きたい。
だったら、命令よろしく異動をしていかないとダメなの?
そもそもジェネラリストもあるけど、あれなんなの?
それどういう定義なの?管理者のこと?
さぁ、一緒に考えてみませんか、ジェネラリストってなんなんだ!
スペシャリストはかっこいいし目指せそう
そもそも認定・専門・特定という資格がある時点で、なんとなくスペシャリストの定義はわかりますね。
案外、看護会では簡単にスペシャリストを目指せます(なれるかどうかは別)。
看護協会が、いや、あなたが勤める看護部が、絶賛お勧めているでしょう。
「認定を取らない?」「認定看護師の知り合いいない?」「特定行為研修に行かない?」
資格を取得するための覚悟に苦労、その後の活動に活躍に継続、そして費用。
スペシャリストは、個人的にも組織的にも、色々と必要です。
明確に自分には「これだ!」と思うものが、是非目指してみてはどうでしょうか?
専門性に長けた人材がいるのは財産です。
患者さんにとって、そして組織にとって。
嫌味な言い方ですが、みんなから一目置かれる優越感もブッチャケあるでしょうしね。
それはある意味、存在感というやつです。
自信がないから勉強する。
自信がないから誰よりも勉強する。
自信を持つために資格を目指す。
責任を果たすために勉強を継続する。
これが私の思うスペシャリスト像です。
ジェネラリストはなんか無理っぽい気がする
では、ジェネラリスト。
これに関してはイマイチ、定義がパッと思いつきませんよね。
やっぱり、強いていうなら「管理職」がそうなのでしょうか?
多くの看護師がそうだと思いますが、ジェネラリストって思いつかないんですよね。
ということで、ここでは看護協会が提唱しているジェネラリストについて勉強してみましょう。
看護にかかわる主要な看護用語
〈概念的定義〉
https://www.nurse.or.jp/home/publication/pdf/guideline/yougokaisetu.pdf
ジェネラリストとは、特定の専門あるいは看護分野にかかわらず、どのような対象者に対しても経験と継続教育によって習得した多くの暗黙知に基づき、その場に応じた知識・技術・能力を発揮できる者をいう。
ふむふむ。
なんとなく、うまく言えなかったことが書いてありますね。
〈歴史的変遷〉
https://www.nurse.or.jp/home/publication/pdf/guideline/yougokaisetu.pdf
1984年、雑誌『看護』で「看護におけるスペシャリストとジェネラリスト」という特集が組まれ、 日本へのスペシャリスト制度導入への妥当性や可能性について論議がなされた。日本の看護界では、 これまで長期的雇用が前提となっていたため、その組織の中で通用する人を育てるために、ローテー ションにより多くの領域において経験を積ませ、その組織に特有な知識や技術を幅広く習得させると いう、時間をかけた雇用管理が行われていた。
なるほど・・・。
やっぱり、色々経験しなきゃね、という建前のローテーションが歴史的背景であるんだな。私のような偏屈者の解釈では、希望しない異動を正当化させるための魔法の言葉が「ジェネラリスト」なような気がしてきたぞ。
〈社会的文脈〉
https://www.nurse.or.jp/home/publication/pdf/guideline/yougokaisetu.pdf
これまで、ジェネラリストはさまざまな意味で用いられてきた。例えば、スペシャリストの対概念として否定的に用いられたり、逆に一定の経験年数を持ちさまざまな領域に対応できる高い実践能力を有するという意味において肯定的に用いられたりしていた。
まぁ、そうだわな。
しかし近年では、ジェネラリストとスペシャリストの役割が分化されたことにより、看護の質を高めるためには、各領域のスペシャリストを適切に活用できるジェネラリストの存在意義が大きくなっており、肯定的に用いられるようになった。言い換えると、スペシャリストがその専門分化した能力を十分に発揮するためには、スペシャリストにタイミングよく相談できる優れたジェネラリストの存在が必要不可欠なのである。
https://www.nurse.or.jp/home/publication/pdf/guideline/yougokaisetu.pdf
・・・・タイミングよく相談できる優れたジェネラリストの存在が必要不可欠なのである。
いや、なのである、って・・・。
本会が専門看護師・認定看護師を認定していること、その認定分野が複数存在すること、教育や認定システムが整備されていること等から、スペシャリストとしてのキャリアに関心が向きやすい傾向がある。しかし、保健医療福祉の現場において、大部分の看護職はジェネラリストとして活動しており、専門職としての独自性を発揮している。ジェネラリストとスペシャリストのいずれにも、専門職として、お互いに協働して看護実践を行うことが求められる。
https://www.nurse.or.jp/home/publication/pdf/guideline/yougokaisetu.pdf
〈本会における用語の使用方法〉
https://www.nurse.or.jp/home/publication/pdf/guideline/yougokaisetu.pdf
ジェネラリストという用語は、領域を特定せずに知識や技術を発揮できる者という意味において使用する。
ということで、結局どうやったらジェネラリストと名乗れるのか、は看護協会としても特定していない感じですね。
「大部分の看護職はジェネラリストとして活動している」そうなので、おそらくこれを読んでいる看護師のあなたはすでにジェネラリストと名乗って良さそうですね。やったぜ!
私は今の看護界の風潮が大嫌い
先程の「看護にかかわる主要な看護用語」でスペシャリストの項目を、是非一度読んでみてください。
スペシャリストは「これこれこうだからこうです!」と断言しているのに対して、ジェネラリストは「結果論、今みんなはジェネラリスト!」と言った感じであいまいです。
繰り返しますけど、結局ジェネラリストの概念って抽象的ですよね?
その割には「必要不可欠である」とか断言してますけど、何したらジェネラリストになれるかは明記していないし、やっぱり私には「ローテーションこそ正義」という大義名分を正当化するためのご都合名称になってる気がするんですけど。
みなさんどう思います?
まぁ・・・だから私は看護界に馴染めないんですけどね・・・・。
ジェネラリストの定義を作ろう
看護師は「患者の個別性」を重視するように習い、実践します。
そこにこそ「看護師としての能力が試される」からです。
で、ですよ。
看護師の世界は、なぜかいろんな病棟へ定期的に異動させます。
2〜3年ごとに異動です。
いろんな病棟を、職場を、現場を経験できるのはメリットです。
患者さん、すなわち人間相手の仕事ですので、多くの経験値は財産です。
ただ、私は常に「看護師全員がその流れで異動させていいのか?」という疑問を持っています。
要するに、組織側が各看護師に対して「個別性が見えない」んですよね。
盲目的に、慣習的にローテーションしているだけにしか思えない。
なかには、職人を目指したい看護師もいる。
認定や特定は目指せないけど、その分野で活躍し続けたい看護師もいる。
いろんな理由で職場環境を変えたくない看護師もいる。
不向きだと思っている分野に強制的に配属される看護師がいる。
全ては「上からの命令だから異動は受け入れないといけない」という見えない圧力に怯えている。
そこを脱却したいがためにスペシャリストを目指す看護師もいるんじゃないですか?
・・・私の考えすぎかな?
さて、そもそも。
その人事権を握っている師長は「ジェネラリスト」なのでしょうかね?
さぁ、私たちでジェネラリストの定義を作っていきましょう。
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