病院は言わずもがな、ありとあらゆる場所で場面で関係で、コロナウイルスはさまざまな影響を出しています。
私が勤めている病院では軽症〜中等度の患者さんを受け入れています。
コロナ病棟でもなく、看護部でもない私の目から見ても大変です。
そして、受け入れ病院である以上、職員は多かれ少なかれCOVID-19陽性患者さんとの関わりはあります。
直接ベッドサイドに行くことはないけれど、今まで使用することのなかった物品の手配や設備、ルールの構築など、コロナ禍はあらゆるところまで影響を出しています。
かれこれ1年が経過しようとしているこのコロナ禍。
大体なんとなく「どのように怖れるのか」と言うことがわかってきました。
感染対策は常に日進月歩が当たり前。
昨日まで「いいね!」だったことが突然明日に「バッド」になることは良くあることです。
コロナ禍になったことで、この感染に詳しい医療者にしか通用しなかったこの常識が、あえてよく捉えればこれを期に「そんなにコロコロ変わるのね」と理解してもらえたと思います。
今回は感染対策について述べたいわけではないのです。
「COIVD-19患者さんを看護していてこんな苦労があるのだ!」という話でもない。
「病院に勤めているけどCOVID-19患者とは間接的にしか接しない職員」
そんな視点のお話。
できるだけ関わりたくない職員がいる
わかるよ、わかる。
わかるけど、それは無理でしょ。
だって、あなたが勤めている会社は病院ですよ?
書類触りたくない、ドアノブ触りたくない、病棟に行きたくない、それっぽい患者がさっき来たぞ!、さっき廊下を歩いていたよ!、うちに入院すんの?、おいおいこんな症状なら転院させろよ!!
世間で自粛警察だ、差別だ、偏見だ・・・・そりゃそうだろう。
病院内でこれだもん。
1年経って少しマシになってきたとはいえ、こんな雰囲気は蔓延しています。
知らないことだらけ
「え?知らないんだけど?なんの工事?」
「ん?聞いてないけど、こんなルールいつなったの?」
「あれ?この部屋、いつからそんなことになったの?」
「え?あの人辞めたの?」
「おい!ここにあった物品だれの許可で動かしてんだよ!?」
「何?ICT(感染対策チーム)?」
「なんでもICTが許可したらいいと思うなよ!」
「ええ?ICT内でも情報共有されてないの??」
誰がいつどこでどうやって物事が決まってんだよ・・・
COVIDー19を診ている医者が偉いから希望を叶えよう、という流れ
「ここの壁ぶち破ってください、患者を見るのに邪魔ですし」
「この器械買いましょう、できるだけ早くに」
「ここにビニールカーテンを張ってください、すぐに」
「この部屋に陰圧装置をつけないと、あ、あの部屋にも」
「N95マスクのサイズを揃えてください、どうして無いのですか?」
「手袋がない?なきゃ診れないよ!どうすんの!どぉすんの!」
「なんでこのあいだ頼んだことができてないんだよ!」
最前線で戦う職員の希望は叶えるべきだと思うが、プレイヤーだけの意見が正しいとは思えない。そして、何よりも全て「当然だ」みたいな顔して来るのに違和感しかないよ・・・
声がデカいやつの声がさらにデカくなる
普段から色々言う職員(特に医者や事務上層部)は、コロナ禍ではもうボリューム調整が狂っているとしか言いようがない。
噂から誇張から妄想から邪推まで、なんでもござれ。
タチが悪いのは、上層部や権力保持者に多い。
え?そんなことない?・・・うらやましいなぁ。
ほんと、とにかく吐き出さないと落ち着かないんですかね。
声がデカいやつほど、主張が正しいと思っている感じがするのは、なんなんすか、いやマジで。
動き出すことがとにかく遅い
- いつになったらオンライン会議するの?
- 世間の会社の方がよっぽど早く導入してるぜ?
- ねぇ、看護研究とかコロナ禍の間はどうでも良くない?
- ラダー、まだ言うの?
- 看護協会からなんかお達し出せよ!
- てか、まだ委員会で集まってますね?なんで?
え、距離とって座ってるから平気なの・・・あ、そう
自分じゃない誰かが職員第1号になってほしいと願う
- とにかく私じゃありませんように!
- とにかく私じゃありませんように!!
- え?熱っぽい??離れて!
- 風邪っぽい?PCR!PCR!!検査室行って!!!
- ちょ、あなたの子供の学校で陽性者でた?休んでください!
補助金という痛み止め
- なんか欲しいものない〜?
- 補助金で買えるよ〜
- 今がチャンスだし、ここ改装しようか〜
- うちは陽性者を受け入れているし、ありがたいことに補助金入るから、大丈夫〜
- これ?補助金でいけるんちゃうかな?
- これも大丈夫ちゃうかな?
- んー全部大丈夫ちゃうかな?
そのかわり補助金申請の期限はすぐだから、ゆっくり選べないし、もうこれでいいよね!
当たり前のようにプライベートに制限がかけられる
- はい、皆さんは医療者なので、飲み会は禁止です!
- 皆さんは医療者ですので家族での外食も禁止です!
- もちろん1人でも外食は自粛しましょう!
- どうしても他府県に行きたい時は申請用紙が必要です!
- 休憩も個別でとってください!
- 昼食などは1人で、あ、食堂でのおしゃべりは絶対に禁止ですから!
- 医療者ですからね、自覚を持ってください!
- ただ、どうやってストレス解消するのは個人で考えてねっ!!
このコロナ禍で「組織としてガバナンスやチームワークができているのか?」を徹底的に炙り出されています。
もう、1年炙っていますからね。
病院の中は煤(すす)だらけで、これでもか、っていうくらいに炙られています。
で、残念ながら私が勤めている病院は、前から気がついていたんですけど、前から分かっていたんですけど、煤だらけでした。
ドリフ大爆笑でよく見た、爆発後にヨロヨロと出てきた志村けんや加藤茶の顔が煤だらけで、口から白い煙を出している、そうアレくらい煤だらけでした。
もうダメなものはひたすらダメにしか転がり落ちません。
こんな時にヒーローは現れたりしません。
有事の際に人間は「バレる」んですよね。
上記に挙げた出来事に当てまらない病院もたくさんあるでしょう。
そうあって欲しい。
感染認定看護師さんがすごい頑張っている
ICTの活躍が目まぐるしい
院長がリーダーシップをすごく発揮していて意外だった
看護部が一丸となってコロナ禍で生まれ変わった・・・
ピンチはチャンスですからね。
目立つことのなかった人でさえヒーローだとバレるのも「有事」の時です。
だけど、私の病院ではそうではなかったし、今も改善されそうにない。
いかに普段から、チームワークを意識し、報連相を徹底するように、指揮系統を明確化し、建設的会議の訓練を行い、各ジャンルへの信頼とリスペクトを持つことができていたのか・・・・
そう、コロナ禍で見えたものは、ワクチンと同じくらい、人財(=人材)でした。
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