はい!
手術看護1UP はら カトリーナ いそこ
これ読んどけ!
以上!!
というのも不親切なので、なぜこの本が良いと思ったのかをここで勝手に説明したいと思います。
私も20年ほど看護師していますと、すっかり医学書や看護関係の本を読むことも減りました。
臨床の仕事が減ったら尚更減った感じが自分でもしています。
しかし、本屋さんは大好きで、必ずその手の棚には入り浸ります。
しかも最近は「面白い」「可愛い」「読みやすい」工夫満載の本がたくさんありますよね。いい時代だよ、ほんと。私が若かりし頃は文字ばっかの難しい本ばっかでブツブツ・・・・。
なので、全てに目を通しているわけではないのは、悪しからずです。
しかも、良いな〜と思っても、この手の専門書の多くは割高なんで、気軽に購入できないんですよね〜(献本でもしてもらえりゃ、穴が開くほど読みますけども)。
なので、近隣の大型書店でなんとなく手にして「おー、こりゃいいな」と思った本をご紹介します。
著者の「はらカトリーナいそこ」さん、生意気言いますがよろしくお願いします!!
1章:手術室環境が書いているところが素晴らしい
まずは目次を見ましょう、はい!
目次 | 1章 基礎・準備編〜100%の準備をしよう〜 ①手洗いとガウンテクニック ②手術室のしくみと環境 ③スタンダードプリコーション ④器械の展開と準備 2章 実践編 ①患者入室・麻酔中のモニタリング ②麻酔の導入と手術体位 ③麻酔覚醒時のケア ④器械出しの上達 3章 緊急編〜“ドキッ”としても慌てない!〜 ①予期せぬ大出血 ②挿管困難 ③SpO2の突然の低下 ④緊急手術と迅速導入 ⑤心電図異常 ⑥異常な高体温 4章 知識発展編〜もっともっと勉強しよう!〜 ①硬膜外麻酔 ②全身麻酔と使う薬 ③麻酔科医による術前診察 ④術中に使う検査とデータの見方 |
もう、この目次だけでいいですね。
何がいいかというか、1年目に広く浅く教育しておきたいことが満遍なく掲載されているんですよ。
アマゾンレビュー読むと「イラストが可愛くて」ということが多いですが、もちろんそうなんですけど、内容ですよ、賞賛すべきは!
どうしても、手術室=器械だし・清潔不潔、というイメージが強く、その手が大盛りな本を購入しがちです。
しかも分厚い本。
いろんな手術が掲載されている本を選びがちでしょう!
え?違う?
私が見てきた新人さんがそんな感じですよ?
いわゆる「1年目の本」を読むのは実際はホンの数ヶ月。
あっという間に現実に飲み込まれて、分厚い手技のみの本をお守りがわりに何冊も持ってます。
だけど、この本が最初に伝えているのは「手術室という環境は特殊なんだぜ」という部分です。
これ、なかなか理解している人も少ないのですが、手術室で働く上で超基本です。
すなわち、そこはとても大切なことなのです。
広く浅くでいいんです。へーそうなんだ、というレベルでいいんです。
そこを知らないと、後の学習に続かない。
まずはそこの説明がいいなぁ、と思いました。
2章:手技書にこだわっていないところがいい
実践編、と謳いながら、いわゆる手術室に配属されると当たり前に目にするがゆえに「何やってんだ?」「なんなのコレ」という新人さんの気持ちに純粋な疑問に沿った内容になっている感じです。
新人さんの間にこの本で「へー、こういう意味か」と理屈を簡単な言葉でイラストで説明されると、今後「もっと深く知りたい」という動機付けになると思います。
コレ、著者からすれば「どこまで浅く書くか」というポイントが難しかったと思うなー。
個人的には深く書く方が楽だと思うんです。
どこで説明を止めておくか、どこまでの説明にしておくか。
この「さじ加減」が全て「いい感じ」なのがこの本の最大のポイントだと思いました。
この本、そこそこ手術室経験したことのある看護師が読めば「あるある」的な内容がたくさん書かれてるな、と思います。
だけど、そのあるある視点というのは、共感できる、ということなので、その視点を本にできる、イラストにできる、というのは、ものすごく難しいことだと思います。何より、その新鮮な気持ちを覚えてるわけですから。
病名、手技、技術を書く方が絶対に簡単ですよ。
3章:ここはもう読んでくれ
ここはもう読んだ方がいいね。
ポーポーのおっさんが色々解説することはなく、手術室に配属された看護師なら読んだらいいんです。いや、読むんです。
何も手術中のミスで大出血!ということばかりではないんです。
患者さんの呼吸を止め、意識を無くし、筋肉を弛緩させるということがいかに怖いことなのか。
そこにプロの資格者として加わり仕事をすることが、どれほど恐ろしいことなのか、しっかりと読みましょう。
何も文字ばっかりで難しい言い回しで説明しなくても、可愛いイラストでも十分に伝わります。
読みなさい。
4章:あえて言おう!基本だと!
著者は「知識発展編」と題しているが、あえて私は言いたい。
ここも基本だよ!
著者は「はじめに」で以下のように述べています。
「手術室での勤務は、センスのあるなし、性格の向き不向きがあるといわれます。実際にそういう部分は少なからずあると思います」
私も激しく同感です。
だけど、センスのあるなしや、向き不向きなんかで、特に新人の手術室勤務が決まるわけは・・・ない。
自分で希望したとしても、希望していない場合でも、配属される時はされてしまう。
所詮は看護師も会社員。行けと言われれば行かなくちゃならない。
だからこそ、この本はみんなの「あるある」的な視点から「君だけがわからないんじゃないよ」というサポートをするような、寄り添うような視点で描かれた本だと思います。
病院によって、手術室の規模によって、病院の専門分野によって、先輩によって、環境によって、手術室看護師のスタートのあり様はさまざまです。
器械出しから、外回りから、何から自分の手術室看護師がスタートされるかわかりませんからね。
だから、あえてもう一度言います。
著者は「知識発展編」と題しているが、あえて私は言いたい。
ここも基本だよ!
著者は15年手術室勤務されてるそうですね。
すごい。
勝手な想像ですが、大きな病院に勤務されていたのでしょうか?
本の中での設定でも手術室は大病院とは言いませんが、割ときちんとした施設をあえて中規模っぽい設定にしている印象を受けます。
きちんとした教育を受けてこられたのでしょうし、されてるのでしょう。
私が関わってきた病院では
「たくさんの部署を経験してこそ立派な看護師」
という考え方をしています。
なので、いわゆる職人(プロフェッショナル)を育てるという考え方に相反している、と私は考えています。
認定看護師にでもならなきゃ、3年おきに定期的に異動です。
それにはメリットもデメリットもありますが、それこそ働き方の個別性は?と考えちゃいますけどね。
おっと、話が逸れました。
紙媒体なら2700円!
Kindleなら2500円!
216ページもあってこのお値段ならお得です!
しかもフルカラー!
新人手術室看護師が読むべき本だ!
中堅手術室看護師も新人に指導するときに参考にできる本だ!
しかも何気に知らない内容があれば、うれしはずかし倍嬉しいじゃないか!
強いて言えば、題名がもっと新人さんが手にしやすい題名なら良かったのにな!
なので僭越ながら、声を大にして言わせてもらいます!
新人手術室看護師はこれを読んどけ!!
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